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ブレーキの噺=WLグランドチェロキー

2025年05月19日

ブレーキって踏むとブレーキランプが光りますよね?これ、ブレーキレバーの付け根に押すとロッドが延びて、延びると(+)とか(-)の出力を出すスイッチが付いてます。これが一般常識(メカニックのね、、)。で、そのスイッチが何故かベンツ以外のドイツ車で頻繁に壊れる。プラスティックの加工技術とか、経年劣化に関しての耐久性は日本製が最も優れてるんです。そう、日本はプラスティックとゴムの素材の加工をさせると世界一の部類です。日本のプラスティックは割れないし、欠けないのです。薄いゴムの膜も穴空かないって世界で使われてます。、対して国産車メーカーは今でも普通にブレーキレバーの付け根にスイッチを付けて、常時(+)を入力して、ロッドが延びるとブレーキ作動線に(+)が出るようにします。

トヨタも日産もホンダもみんなブレーキレバーのストロークに合わせてスイッチが動く形状をしています。日本の整備士はこれで勉強して居る為、スイッチが無い車は判らない事になります。欧州車は(+)だったり、(ー)を配線に触らせるとブレーキランプが光ります。でもアメ車の1部にデジタル(CANーBUS)でブレーキ制御する車が有ります。

ブレーキを踏みながらスタートボタンを押すとエンジンが掛りますね?その後は減速時、停車時にブレーキを踏むと制動が掛かって、ブレーキランプが光ります。(+/ー)ならば簡単な噺ですが、デジタルとなると何ボルトの噺ではありません、、、

例えばジープブランドの車はブレーキのスイッチに来る(+)は9ボルト程です。バッテリーは12ボルト以上有るのに9ボルトです。何故でしょう??この9ボルトの方が、テールランプがLED点灯する車両は便利なのです。12ボルトを減圧して9ボルトに下げてテールを光らせるより、9ボルトを直接テールランプに流して、抵抗の掛かったアースで(+/ー)を摂る方が理に適っているからです。国産車は12ボルトでテールランプに送り、それをテールランプで減圧してLEDを光らせる、するとテールランプを破損して交換する時にびっくりの価格に成ります。ランクル200(先代)のテールは片側6満です、ランクル100では3満程でした。しかも玉切れならばフィラメント球を換えるだけなので、千円もあれば交換可能です。LEDが玉切れでも、ひび割れでも6満以上。対衝突時の修理代金を考えるとLEDテールランプは損ですよね。
何を言いたいかと言うと、ブレーキを踏むと、確実に(+)か(ー)の出力がそこから出て居たのです。> ちょっと前までは。。。

自分の仕事はこれに大いに関わり合いが有る仕事です。エンジンが掛る時はブレーキランプが光るのが当然の見た目です。それが車内にも、エンジンルーム内にもそのスイッチや圧力センサーが無い車が沢山出て来て困ります、、、AUDI、BMW、VW等はもうスイッチはほとんどありません。この3メーカーのスイッチは本当によく壊れましたから、早くにブレーキマスターバック(倍力装置)のシリンダー内圧でマグネットスイッチを動かして、踏んだら(+)と言う信号を造って居ます。それもちゃんと12ボルトです。それがBCM(ボディ・コントロール。モジュールの略)に流れ、その先で9ボルトに変換したり、6ボルトで制御したりの構造です。追突された、バックでぶつけた時に最もテールランプが安価な事になります(実際には輸入品ですので高いですが)。コンバーター(変換器)がテールライトに内臓なのか?BCMで変換して送られてくるのか?で修理金額が全然違う事になります。

先のBMW、AUDI/VWはブレーキ回路に(+)を流して措いて、スタートボタンを押せばエンジンが掛ります。原理的にはこれで間違いありません。鍵が車内にあれば掛かる筈なのです。(そう簡単ではないのですが、、)、しかしアナログの踏んだら?のブレーキ回路の無い車両は(デジタル回路)デジタルでブレーキを踏んだと言う情報を造ってBCMに入力しないとエンジンが掛りません。実はそんな車があるのです。台数的に沢山いるのです。

従来はブレーキを踏むとレバーが動き、マスターバックの圧力が増す、その圧を増幅してブレーキパッドを挟む。電気的にはスイッチか圧力でのスイッチングでした。そうでない車とは、ブレーキレバーを踏む →マスターバックの圧力が増す →ABSユニット(アンロックブレーキのユニット)に伝わる、そこで圧力を測定してECU(エンジン・コントロール・ユニット)とBCMに踏まれた!!と情報を流すんです。それがデジタル信号で流れる。

手持ちの12Vとアース(先の+とー)のリモコンスターターでは、イグニッションONまでは出来るが、電位的にブレーキが踏めないのでエンジンが掛らないと言う事になります。それがJEEP グランドチェロキーの現行車(生産終了??)WL型なのです。ブレーキ信号がデジタル(CAN-BUS制御と言います)では、ブレーキを踏んだよ~と言う信号を、造って車両に入力しないとブレーキランプは点灯せず、ECU、BCMの中のブレーキ踏まれた処理が出来ず、セルモーターリレーは動きません。ECU、BCMを飛び越えてセルだけ廻しても車輛はエラーを報告します。メーター内はお祭り騒ぎでした、、、これ、実際に弊社でWLグランドチェロキーでディーラーから回路図を貰って現車解析した結果なんです。ブレーキを手で押して居ればリモコンスターターが出来ますが、セルに直接12ボルトを入れてもセルが廻るが、エンジンは掛かりませんでした。泣く泣くディーラーさんで故障診断機を充てて、全部のエラー(ファルトとかフォルトとか言います、英語のファールの意です)を飛ばしてお客さんに納車しました。当然、一銭も貰らえませんよね。、

欧州車は壊れるプラスティックのスイッチを金属製にして筒の中に納めて壊れない対策をした。

アメ車は壊れない箱(ABSユニット)の中に格納して、さらに伝達経路をデジタル化した。

国産車?? 50年前と同じ、踏むと(+)のスイッチ。でも国産は壊れないです。壊れない材質の検討や設置角度の検討に拠って熟成したんです。
壊れない、割れないプラスティックの配合(油分の調合)、弱い部分は金属で造る等の工夫、30年とか、50万キロ壊れなくて当たり前の作り方(減らない部分ですからね)、これを国産メーカーは目指して下請け各社と切磋琢磨して研究した訳です。トヨタ系(ダイハツ、スバル)、日産、ホンダ、マツダ、何処の国産メーカーもブレーキが根元(スイッチ)から壊れて追突事故が起きたなんて話は無いし、壊れて居るのを見た事がありません。本当に凄いです、日本の物造りは。。
戻しましょう。
最も進んだのは恐らくアメ車です。これにより引き換えに自分(ストリームライン)の仕事が無くなりました。WLグランドチェロキーでリモコンスターターが出来れば直ぐにでも200台程の仕事が生まれます。それが出来ないとは、、悔しいです。アメリカ国内には純正キーで操作するスターターが有る)でも車が生産中止に成るそうで、、しかしながら後継車は出て来てまして、グランドチェロキーそっくりなので、恐らく同一制御を踏襲していると思われます。これ何とか成らないかな⤵⤵(困)
完璧に回路が判って居てもスイッチが無くて、配線はデジタルで、その原理信号(センサー)に手が届かないのでは手も足も出ません。
と言う事でWL型グランドチェロキーにスターターが付かない言い訳でした。。悔しいです★★

誰かCANに詳しい人、SPLユニットを造って下さい~!お願い~~!!(規格はFD CANです)